BLACK KINGDOM -夜明けまで、熱く愛して-
聞き覚えのある冗談めいた口調。
暗がりでも、相手の表情は容易く想像できてしまう。
鮮明すぎるくらいに覚えているから、わかるよ。
涼し気な目をすうっと目を細めて、楽しそうに笑うんだ。
わたしをからかうのが、好きで好きでしょうがないってカオ。
「わたし……QUEEN無理だよ」
「あーそ」
「千広くん以外の男の子、知らないし、辞退したい、ので、他の子に変えるように幹部の人にも言ってくれないかな」
「させねえよ。お前を好き勝手できるいい機会だろ」
「す、好き勝手は困るし、あと幹部の人だって、こんなハズレくじ女いやに決まってるし」
ふと、わたしの手に、千広くんの手のひらが重なった。
息が止まる。
「俺が引いたんだ、ハズレなわけねーだろ。次言ったら襲うぞ」