BLACK KINGDOM -夜明けまで、熱く愛して-
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再び意識が引き戻されたのは、午前1時を少し過ぎた頃。
「……あやる、」
千広くんの声が聞こえた気がしてうっすら目を開くと、本当に千広くんがいたから驚いた。
上半身を起こして、ベッドに片膝を立てて、わたしを、見下ろしている……。
そっ……か、隣で寝てたんだった!
さすがにもう夢ではないとわかるけれど、そばに千広くんがいる状況はそう簡単に慣れるものじゃない。
暴れる心臓を抑えながら、どぎまぎと瞬きを繰り返す。
「お前のスマホさっきからずっと鳴ってる」
「スマホ、……え、あ、スマホ!」
勢いよく起き上がったのはいいものの、いつ被せてくれたのかわからないブランケットが、はらりと体を離れて。