BLACK KINGDOM -夜明けまで、熱く愛して-
劣 情




どうしようどうしようどうしよう。
ついにこの時が。


QUEENに選ばれたからには逃れられない運命だと初日に覚悟は決めてたつもりだけど、

千広くんに助けてもらったりして、なんだかんだ無事にやりすごしてきてたから、ちょっと安心しきっていたというか。


いきなりこの展開は、あまりに酷すぎるのでは……!


というかそもそも、どうして“今”?


夜会の件で疲れて帰ってきて、さっきは開吏くんとの一件もあって。
どう考えてもそういう流れではないような。


そういえば、前にヒナタちゃんが『男の人は疲れてるときに”そういう”欲求が急に湧いてくる』みたいなことを言ってた気がする。

なんか、疲れてるときに男性ホルモンや神経伝達物質が大量に分泌されるからだとかなんとか……。


いやいや、そのプロセスはどうでもいいよ。

逆に今まで無事だったことが奇跡に近いんだから、もう甘んじて受け入れるしかない。


でも……やっぱり、千広くんがよかったな。

言える立場じゃないよね。


――という風に、頭は絶望によってフル稼働、ショート寸前だった、のだけど。




「な? ベッドルーム、だろ?」


――1分後、わたしは目の前の光景を見てぽかんとしていた。
< 225 / 309 >

この作品をシェア

pagetop