BLACK KINGDOM -夜明けまで、熱く愛して-

「それで、当然、最初は無言で。緊張と気まずさのあまり、千広くんに『ポテチ食べる……?』って」

「聞いたの!?」


「そう、聞いちゃって! でねっ、無視されるかなって思ったんだけど、千広くん一緒に食べてくれて……う、嬉しかった」

「っ、ううカワイイ〜〜カワイすぎる!! 保護したい!!」



思い出すと今でも恥ずかしい。


まともに喋ったこともない同級生と、非常階段の下で雨宿りしながらポテチを食べる。

なんともおかしなシチュエーション。


ちなみにのり塩味だった。

味まで覚えてるなんて我ながらびっくりする。



「こんな生き生き喋るあやるちん初めて見たあ。めっちゃ好きじゃん千広様のこと」

「っ、ぅ、そうかな……いや、そうだよね……」

「きゃ〜っ」


……うん。すごく好きだった。

──だから忘れるために必死だった。



「いつ告白するの?」

「……へ?」


「告白だよ告白。QUEENなんだから、今が一番チャンスでしょ」

「いや、そんな、告白なんかできるわけ……」
< 261 / 309 >

この作品をシェア

pagetop