BLACK KINGDOM -夜明けまで、熱く愛して-
微 熱
黒いソファにもたれかかっていた2人の男の子が、こちらの足音に気づいて顔をあげた。
「やっと来たね〜今月のお姫様」
「逃亡する生意気な女か。躾けがいがありそうだな」
室内には千広くんと開吏くん、それからソファのふたり。
BLACK KINGDOMの幹部、総勢4名の視線をいっきに受け、冷や汗が滲む。
なるほど。
前にヒナタちゃんが、BLACKの幹部は美形揃いだと言っていたのは、本当だったみたい。
”イケメン”と軽々しく表すことさえ躊躇われるような整いすぎた造形には、見惚れるより先に萎縮してしまう。
「2年A組の安斉あやると申します。えっと、1か月間、よろしくお願――」
「堅苦しい挨拶はいーの。こっちにおいで?」
「っ、おわ?」
第一印象が大事。とりあえず礼儀正しく……と、思ったのに。
言い終わる前に腕を引っ張られた。
ついでに、足元をさっと払われて、視界が反転。
次に瞬きをしたときには、わたしは、
……ソファの上に仰向けになっていた。
「僕たちのこと、楽しませてくれるよね?」