BLACK KINGDOM -夜明けまで、熱く愛して-
「──……誘ってんの?」
冗談だろ、とでも言いたげな、微かに笑いを含んだ声がする。
どうやったら本気にしてもらえるんだろう。
しばらく耐えて俯いていたら、千広くんが痺れをきらしたようにこちらにやってきて。
わたしの隣、ベッドの縁に腰を下ろした。
「……あやる?」
顔を覗きこまれる。
これだけでどきどきするわたしの身にも、なってみてほしい。
「……千広くんのバカ。わからず屋」
聞き取れなかったらしく「は?」とさらに顔を寄せられて。
──なかばヤケになっていたらしいわたしは、千広くんの唇に……自分のそれを重ねていた。
「……───、」
その柔らかい感触に、はっと我に返った。
すぐさま離れようとしたのに、強い力で引き戻される。
「ちゃんと合わさってねーよ。やるならしっかりやれ」
「……ん、っ、」