BLACK KINGDOM -夜明けまで、熱く愛して-

一瞬で熱が回って、甘い感覚が突き抜けた。


気づいたときにはベッド脇の壁に追い詰められていて、逃げ場がなかった。


「……っ、は、ぁ」


押さえつけられた状態で、角度を変えながら何度も何度も唇が落ちてくる。


熱い。苦しい。頭がぼうっとする。

──千広くんのことしか、考えられない……。


キスの仕方なんてわからないけれど、好きと言えない代わりにどうにか応えたくて。

距離はとっくにゼロなのに、もっと近くにいきたくて……。


誘われるように少しだけ口を開けば、すかさず熱が入り込んでくる。



「ゃ、ん、……うぅ、」


甘くて甘くてくらくらした。

ずっとこうしていたい。

唇が少しでも離れるたびに不安になる。



「ち、ひろくん、……」

「っ、なんだ」

「やめないで、っ、もっと……」


どうしよう、こんなこと言って。

自分じゃないみたい。

千広くんのことが好きすぎて、おかしくなってしまった。
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