BLACK KINGDOM -夜明けまで、熱く愛して-
「……ん、……」
やがて、キスでぐったりした体がベッドの上でゆっくりとバランスを崩す。
倒れ込むように千広くんの体が覆いかぶさった。
こころなしかいつもより余裕がない千広くんと、至近距離で視線が交わる。
まくれた服のすそからいつの間にか入り込んできた手のひらが、一度だけ肌をなぞった。
「〜っ、あ、」
「あやるがストップかけてくんねーと、やめらんないけど俺」
「っ!」
もう一度触れて、びくっと揺れる。
「やっ、ぅ、〜」
「………キスだけでこんな濡らしてんじゃねーよ」
確かめるように行き来する指先に、じわりと切ない熱が生まれた。
「なあ、どうすんの」
「っ、やぁ、も……わかんない……」
熱くて恥ずかしくて、千広くんが好きで、頭が回らない。
「………」
「でも……、やめたらやだ……」