BLACK KINGDOM -夜明けまで、熱く愛して-

ベッド?

……ああ。そういう……こと。

状況を理解した途端、色々なものが、すとんと腑に落ちた。


月1で行われるQUEENのくじ引き。

いったいなんのために、とか、今まで気に留めたこともなかった。


QUEEN──お姫様なんて、きらびやかのは響きだけ。
だってここは黒帝だから。どんな扱いを受けようが、抗う術なんてあるはずがない。



「──あやる」

背後から千広くんの声がした。
すぐには返事ができなかった。


千広くんは、QUEENが“こういうもの”だとわかった上で、わたしをここに連れてきたんだ。

その事実だけが、心に重たくのしかかる。
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