BLACK KINGDOM -夜明けまで、熱く愛して-
「あ〜、へえ、なるほど」
見た目と雰囲気から薄々そうだろうとは思ってたけど、今屋敷 冽くん、相当な遊び人とみた。
ヒナタちゃんはこういう軟派な人がタイプなのかな……。
なんて、一瞬でも気を抜いたのがいけなかった。
「じゃあ、るーちゃん。わかってるよね?」
妖しい色気を纏った声に、びくりとする。
さっきより幾分低く、冷たく、冽くんの声だとわかるまで、しばらくかかった。
「1ヶ月間、存分に楽しませてね」
柔和は笑顔はどこへ消えたのか。
薄くつり上がった口から覗くのは、八重歯じゃなく──鋭い牙。
「泣いても喚いても、壊れても……僕たちが満足するまで離してあげないから」