BLACK KINGDOM -夜明けまで、熱く愛して-
なんて、今さら………。
「ねえ、開吏。あれ持ってきて」
扉の手前に立っていた開吏くんが「……はーい」と気だるげな返事をする。
開吏くんが冽くんに何かを手渡すのが見えた。
小さな……瓶?
視界の端でシルエットを捉えた、のもつかの間。
「はい、るーちゃんコレ飲んで?」
「へ? ……っ、ん」
無理やり、何かが口元に流し込まれた。
いきなりのことで、むせそうになる。冽くんはそんなのお構い無しで、瓶を傾けてくる。
「は……ぅ」
中身がなくなったときには、体に力が入らなくなっていた。
上手く呼吸ができなかったから、ただの酸欠だと思ったけれど……違う。
間もなくして目眩と息苦しさに襲われた。
体が、自分の意志に反してどんどん熱くなっていく。
「ん……いつもよりちょっと強めにしたんだよね。これで、嫌でも僕たちを求めるしかなくなっちゃうね、るーちゃん」