BLACK KINGDOM -夜明けまで、熱く愛して-
「平気か?」


ソファに身を預けたままついに力が入らなくなったわたしに、黒い影がかかる。

屈み込んだ千広くんと目線の高さが重なった瞬間、びくりとした。


おかしいと思う。

どんな状況であろうと、絶対的な支配者側の人間である松葉千広が、誰かの前に跪くなんておかしい。


千広くんらしくない……。
似合わないことをさせてしまっている。

急にこみ上げてきた申し訳なさが、どうしてか涙になる。


「っだ……いじょうぶ、」

「そうは見えねえけどな」


顔を背けようとしたのを、伸びてきた手に阻止される。


「肌あっついな」

「やぅ」


思いがけずヘンな声がでて、ますます逃げたくなった。
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