BLACK KINGDOM -夜明けまで、熱く愛して-
「……奥の部屋行くぞ」
「おく……のへや?」
って、さっき冽くんが、ベッドがあるとかなんとか言ってた気がする。
でも、わたしはもう歩けそうにない……。
ふわりと体が浮いたのは、そう思った直後だった。
目線がぐんと高くなってびっくりする。
「千広くん……っ?」
「こうでもしないとお前のこと運べねぇだろ」
「べ、べつに運ばなくていいっ、治るまでソファでいいもん、あと、あんまり触らないで……っ」
触れられたところが熱くて熱くて、これ以上密着したら、どうにかなっちゃいそうだから……。