BLACK KINGDOM -夜明けまで、熱く愛して-
聞き返そうとしたときには、すでに肩を抱かれていた。
ゆっくりと千広くんの体重がかかる。
触れられたことで、また血液が滾ったように熱くなるし、肌は敏感に反応してしまうけれど
千広くんがここにいると思うと、さっきまでの漠然とした切なさがすうっと消えていく。
さっき解かれたリボンの下、制服のシャツやスカートの隙間。
入り込んでくる体温は、わたしと同じくらい熱くて安心した。
戸惑うくらい優しい手つきでなだめてくれて。
もどかしさを感じていた部分に丁寧に触れながら、時折、わたしの声が漏れると柔らかく笑う。
「……可愛いな、あやる」
今日の千広くんは
最後まで──千広くんらしくなかった。