BLACK KINGDOM -夜明けまで、熱く愛して-
「スカートが短すぎてびっくりしただけだから、もういいよ、制服は自分の着る」
「制服はこのままでいいだろ。短いほうが……──ていうか誰も気づかねえよ、長さがちょっと変わったくらいで」
「いや気づくよ、明らかに短いよ」
わたしに押されるがままだった千広くんの動きが、ふと止まった。
目の前に影が落ちて、千広くんの唇が耳元に近づいた。
急に変わった空気にどきりとする。
「口答えするな、あやる。この制服はお前のだ」
「っ、───……」
低い、命令口調なのに、どこか甘さのある響き。
脳に直接届いたあとで、ぞくりとした刺激が身体に走る。
襟に通しただけのリボンが、眼下で揺れているのがわかった。
その両端を千広くんが拾って、丁寧な手つきで結んでいく。
「いいか、勝手に解いたら──……してやる」
脅しというより呪いに聞こえた。
呪いというより、
──────………。