違いませんが、 違います‼︎
気が付けば、3ヶ月が過ぎた。
そろそろ[入力のアルバイト]のゴールも見えて来たので、本格的に職探しをしないとヤバい。
呑気にOL気分を味わっている場合ではない。
そろそろ貯蓄の限界だ。
怖くて残高を確認出来ていない。
家の分は、半年分に別に確保してある。
大将が退職金だと奮発したと言っていた。
でも、そろそろ本気でヤバいはず。
コンビニのATMが目に入る。
覚悟を決めて、残高を確認して、求人雑誌を貰って家で泣こう。
ん?
なんだこの額は?大将間違えた?
自分の予想よりも0が多い。
慌てて入金先を確認する。【スドウ】
何故知っている?私の振込先。思い当たる人物はただ1人。
「大将‼︎」
[久しぶりだな。元気してるか?]
呑気な声を出さないで下さい!
気が抜けます。
事情を説明すると、大将が電話越しに笑っていた。
[うちから、斉藤の所に移動って事にしといたから、安心して働け]
「大将‼︎」
泣けた。マジで泣いた。
この恩は一生忘れません。
いらないと言われるまでは精一杯働きます。
恩を返すべく、仕事に精を出す。
ミーティングのセッティング。
来客のお茶出し。
書類入力。
コピーにシュレッダーかけ。
職場は、誰でも出来るが手が回らない仕事で溢れている。それを率先してやっていく。
「ありがとう」と言われたり、「助かった」と言われたり、「これもお願い」と言われたり
週休2日、8時間労働。
アルバイトなので、無駄な残業をしないように。
元々効率厨なので、苦ではない。私は黒子。
人の顔色を伺う事もなく、ただ黙々と仕事をこなしていく。
考える事は、相手が楽なように「ナイスアシスタント」と思われるように。