違いませんが、 違います‼︎
「でも、坂本さんは根津のアシスタントではないですよね」
誤魔化されてはくれなかった。やっぱり。
嘘は付いてはいけない。墓穴を掘るだけだ。
真実味を持たせて小さな小さな誤魔化す事の出来るレベルの嘘をつく。
後で言われても「言ったじゃないですか‼︎忘れたの?と言えるレベルの嘘。
「そうなんですが・・・あっ、今暇なんです、私。なので、少しでもお手伝い出来ないかと根津さんに手伝いますと声を掛けました」
葉山さんがニコッと笑う。
「そうなんですか」
「そうなんです」
勢いよく同意する。
「では、今暇なんですね。では、ここでこの続きをお願いします」
笑顔で席を譲られた。
その笑顔、めちゃめちゃ怖いです。
泣きそうです。
「総務の方には私から伝えておきます。暇なんですよね」
「えっ」「いや」と口に出そうとすると、
「少し席を外します。扉は開けたままにしておきますね」
逃げたら、どうなるかわかっていますよね。
笑顔の裏に恐ろしい文字が見えます。
「では、よろしくお願いします」
出ていってしまった。
パソコンの中身を確認すれば、ただ入力するだけで良さそうだ。
これなら最速で打ち込めば、帰ってくる前に終わらせれる。
本気を出させていただきます。
腕まくりをして打ち込んでいく。