違いませんが、 違います‼︎


そう言う予感だけは的中するもので、
今私はなぜか高級料亭にいます。

隣には須藤さんが、正面にはきっと偉い人だろうと思われる男性がおります。

そう、接待です。

提供する側はありますが、している側は初めてです。

何もせずただそこにいろ
お酌とかしなくていい

そうです。
本当にただ座っています。

食事は、めちゃ美味しいです。フレンチとかでなくて、本当によかった。

「実は先週田舎に帰ったんだよ。地元のいい日本酒が手に入ったんでみんなと飲もうと思って」

お偉いさんが合図をすると、女将さんらしき女性が日本酒の瓶を出した。

「あっ、酒一筋の遥だ」

お偉いさんは目を輝かすし、須藤さんは呆れた顔をする。

全注目を浴びながら、最初の一杯を飲みことになってしまった。

さすが、利守酒造さん。雄町本来の味ですね

お偉いさんは嬉しそうだ。

2人で日本酒談義で盛り上がってしまった。

 途中でしまったと思って、
須藤さんや葉山さんに話を振っても、相槌だけで会話がそちらにいかないのだから、
私のせいだけではないはず。ですよね?

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