違いませんが、 違います‼︎

2


実家に帰る日まで須藤さん付きで出張でいなかった葉山さんが、
なぜか私と一緒に新幹線の到着を待っています。

私、帰るって言ってませんよね。

って言うか、新幹線の時間も伝えていないのになぜここにいるんですか!
ニコニコ楽しそうにしないで下さい!
しかも、ビシッとスーツに身を包んで
仕事帰りなら真っ直ぐ家に帰って下さい!

助けを求めた三枝さんのメールの返信が

[マジでいるの?笑える!]

ってなんなんですか!

新幹線に乗り込んでも、甲斐甲斐しく世話をされる。

小腹に少し入れておきましょうとサンドイッチまで用意している。
しかも、市販品じゃない。

このまま一緒に来るのか?


なんて切り出そうかと考えているうちについてしまう1時間。

短すぎる。
ヒカリにするんじゃなかった。

「着きましたね」

私の荷物を持ち、ドンドンと進んで行く。

「待って下さい‼︎どこまで一緒に来るんですか‼︎」

葉山さんをなんとか止める。

ニコッと笑う葉山さんが「どこまででも」と顔が言っている気がします。

「一君から待っていると連絡が入っていたので、待たせるのは悪いと思ってしまって。歩くのが早くなってしまいました」

すみません、ゆっくり行きましょう

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