違いませんが、 違います‼︎


いつの間にか両親までも調子に乗っている。

待って!止めてくれ!
その人にお酒を与えないでくれ!

時すでに遅し。

寝てしまった葉山さんを、男達が担いで居間の布団に移動させる。

私の部屋という話も出ていたが、担いだ瞬間、階段は無理だという話になった。

布団の上で丸まって寝る葉山さん。

その姿がかわいいと思ってしまう。


須藤さんが言ったように、私も諦めてしまったら楽になるのだろうか?
 

残ったお酒をチビチビと飲んでいると、お風呂上がりの一が戻ってきた。

「あんな完璧な人間でも苦手なものがあるんだね」

丸くなって眠る葉山さんを見る。
私も葉山さんを見た。

「完璧なんかじゃないよ。完璧にしようと努力してるだけなんだよ」

ふっと、一が鼻で笑う。

「だろうね」

今日、急に電話がかかってきたかと思ったら、ねぇちゃんが乗る新幹線の時間を知っているか?とか聞いてきたかと思ったら、
母さん達は家にいるか?とか聞いてくるし、

弟の思い出し笑いは不気味です。

挨拶したいから、家にいるように伝えてくとか
手土産は何がいいかとかさぁ
必死で笑える。

葉山さんからは、いずれはって聞いてたけど、ねぇちゃんは何にも言わないし、
顔には出さなかったけど、父さんも母さんも心配してたんだぜ


はぁ?
寝耳に水な話をしないでください。

唖然顔の私を見て、一は「マジで知らなかったのかよ」と呟く。


もしかして、外堀埋められてました?

「今頃気づいたのかよ」

呆れた顔の一に言われた。

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