遊郭の花嫁
ただし、花嫁にするのは誰でもいいというわけではないらしい。
魂が清らかで、なおかつ波長の合う相手こそが〝最愛の花嫁〟として見初められ、大金を積まれて買われていった。
反対に魂が穢れていたり、誰とも波長が合わない女は人ならざる者に魂を喰われ続け、次第に心が弱って、いずれ身が朽ち果てるというわけだ。
魂の善し悪しや相性は、人ならざる者にしか判別ができない。
だから帝都吉原の遊女たちの多くは言葉の通り、花嫁探しという名目で、彼らの喰いものにされていた。