甘えたがりの4時起きちゃん
「ごめんな、でも屋外撮影とかでお互い活動してる名前で呼び合わないと本名とかの問題あるから…。」
そういう玲緒は、もうすっかり機嫌を直してしっかりものの彼氏の顔をしながらことちゃんの頭を撫でてる。
…さすがにひくくらい甘すぎるオーラが漂ってるもんだから、その場をそ~っと離れようとしたら。
「てか美雨、もう撮影だから呼んでこいって言われたんだけど」
「うそ、ごめんねことちゃん、行ってくるね!!」
「美雨、今回カップル特集だけど撮影だから、妬かなくて大丈夫だから」
「…うん。」
そうことちゃんが返事したのを合図に、撮影モードに切り替える。
「すみません、よろしくお願いします」
「じゃあ個人のカットから行きます」
カメラさんの指示に従い、いろんなカットを撮る。
距離近いカットもあって、不安そうな顔してることちゃんに微笑みかけた…そんな気がする。
撮ってる私はモデルの美雨であり、いつもの私じゃないから。
…ただ、誰かに見られてた気がしたのははっきりと覚えてた。