甘えたがりの4時起きちゃん

side 亜葵羽



思ったより美雨の飲み込みが早くて、少し焦った今日。



美雨に別れを告げ、ひとり、台本を読み始める。



───「ごめ、なさっ」そう電話の相手に話していた美雨は、


頑張って涙を我慢しているように見えた。



そのあと、ばいばい、と言って去っていった彼女の瞳には、


その綺麗な瞳の奥に絶望が見えた。


────って、物思いにふけっている場合ではなくて。



台本を覚えなきゃ。


初めての映画の出演。



チャンスを逃すわけにはいかない。



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