また、君に会えるまで。
咲夜side
咲夜side
「また…迷惑かけちゃった…。咲夜を…こんなに優しい咲夜を…悪者にしちゃった…。」
そう言って泣きじゃくる茉冬。
迷惑になんてなってないのに。
「迷惑なんかじゃないよ。俺がそうしたくてしたんだし。
だから茉冬は何も気にしなくていい。」
そう、茉冬は何も気にしなくていいんだ。
──茉冬や潤を守るためなら、悪者になるくらいどうって事ない。
茉冬を家まで送ったあと、俺も自分の家に帰った。
俺の家族は、両親と弟と俺の四人家族。
今両親は働きに出ているし、弟は習い事があるからいない。
「ただいま。」
俺は誰もいない家にそう声をかけて、自分の部屋に入った。
荷物を置いて服を着替える。
服をきがえながらも、頭の中にいるのは茉冬の事だった。
俺にはどうしてあんな優しい子がいじめられるのか、分からなかった。
いや、分かりたくもないけど。