また、君に会えるまで。
「そうなの?あ!いいこと思いついた!」
そう言って俺が持っていた本を取り上げ、中に挟んであったしおりを取った。
「えっ…?!」
しおりを取られては困る。
桜の押し花で作ってあるこのしおりは茉冬が俺にくれたものだった。
取られるわけにはいかない。
「かえして!」
そう言ってしおりを取ろうとしてもそいつは背が高くて取れない。
「やーだよ!おとなしくしてろ!」
俺は必死になって手を伸ばした。
何とかしおりに手が届いた。
その時、運悪く俺の振り回した手がそいつの顔面に当たった。
「ご…ごめ…」
「いってーな!なにするんだよ!!」
そう言われた瞬間、頬に痛みが走って、俺はその場に倒れた。
頬を殴られたのだと気づいた。