また、君に会えるまで。
"兄弟"
その言葉を聞いた時、熱いものが込み上げてくるのを感じた。
心が暖かくなるような、涙が出そうなような、なんだかそんな気持ちになった。
「だからね!」
急に茉冬が俺の前にストンとしゃがんで俺の手を握った。
「なんにもきにしなくていいの!もしまたいじめられても、わたしたちがいるよ!
3人ならこわくないよ!」
そう言われると、なぜか安心できて、止まっていた涙がまた溢れてきた。
「ありがとう…ありがとう…。」
「もう、なかないの!」
そう言って茉冬は俺の涙を拭ってくれた。
「じゃあ…やくそくしよう…?」
「やくそく?」
不思議そうにする2人の手を握って言った。
「もしね…もしぼくらがばらばらになったら、あのさくらのきのしたにいこう?
そこにいけば、ぼくらはいっしょにいることとおなじだよ。」
学校の近くにある丘の大きな桜の木。
そこはよく俺達が遊んでいた場所だった。
茉冬が作ってくれたしおりの桜も、そこで取ってきたものらしい。
俺がそういうと、2人は嬉しそうに笑った。
「うん!やくそく!」
「3人だけのやくそくだよ!」