ANOTHER WIND～もう一人の主人公～

頭から一直線に真上の緑めがけて落下しています。
そもそもここはどこですか。
さっきからずっと見てますが、田んぼばっかじゃないですか。

え、なんですか、おれが知ってる田舎って、ドラマの『なんたらかんたらに願いを(うろ覚え)』の北海道くらいですよ！
どうせ生粋の都会っ子ですよ!!
井の中の蛙で申し訳ないぃ!!!!



――――ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ



――――ゴチーン



――――ピピピピィィ
　　　　バタタタタタ…



「お父ちゃん、裏山になんか落ちたよ」
「本当だねぇ、鳥達が騒いでいるよ」
「あたし、見てくる。
　なんか頭と切り株が当たったような
　鈍い音がしたし」
「随分具体的に聴こえたねぇ。
　まぁ待ちなさい娘よ。
　何か物ならば、あんな高さから
　落ちたらぺっちゃんこなはずだ。
　そんなもの見ても
　なにも面白くはないだろう。
　あれっ？いない？」



――――あれっ？死んだ？