ANOTHER WIND~もう一人の主人公~
パンパンパン――
休み時間到来の至福に盛り上がった教室に、手を叩く音が響く。
皆が視線を彼に移した。
「さーぁみなさん授業終了です!食堂行っても良いかなーっ?」
彼が望んだのはお昼の定番番組の、あの感じだったが、含み笑いしか返って来なかった。
「うぅ…ご時世か…。今の世の中は冷えきっている…スイカバーのように!!」
「え?『いいともー』って返した方が良かったのかな?」
「今の振りなら当然だろう」
「ごめん、さすがに乗りきれなかったわ」
「本能で反応するってもんだろうがぁぁ!」
「貴様には10年早いわ!グラサンかけて出直せぇぇぇ!!」
「ぐふ!ま…参りましたぁぁぁ!!」
――橋本 翼。
“つばさ”ではない、“たすく”。
クラスの中心人物で、頼られ屋。
彼の周りには笑顔が絶えない。
――彼の周り、には。
「おい、お前らも食堂行こうぜ!」
タスクは何気なく教室の端にいたグループに声をかけた。
「言われなくても後から行くっつーの…」
一人が聴こえるように、そう呟き、舌打ちを一回した。
「うざい」「きもい」などの言葉がぶつぶつと聴こえる気がする。
タスクは一瞬、固まった。
「…あ、あぁ、じゃあ、先行ってる」
タスク達は教室を後にした。
休み時間到来の至福に盛り上がった教室に、手を叩く音が響く。
皆が視線を彼に移した。
「さーぁみなさん授業終了です!食堂行っても良いかなーっ?」
彼が望んだのはお昼の定番番組の、あの感じだったが、含み笑いしか返って来なかった。
「うぅ…ご時世か…。今の世の中は冷えきっている…スイカバーのように!!」
「え?『いいともー』って返した方が良かったのかな?」
「今の振りなら当然だろう」
「ごめん、さすがに乗りきれなかったわ」
「本能で反応するってもんだろうがぁぁ!」
「貴様には10年早いわ!グラサンかけて出直せぇぇぇ!!」
「ぐふ!ま…参りましたぁぁぁ!!」
――橋本 翼。
“つばさ”ではない、“たすく”。
クラスの中心人物で、頼られ屋。
彼の周りには笑顔が絶えない。
――彼の周り、には。
「おい、お前らも食堂行こうぜ!」
タスクは何気なく教室の端にいたグループに声をかけた。
「言われなくても後から行くっつーの…」
一人が聴こえるように、そう呟き、舌打ちを一回した。
「うざい」「きもい」などの言葉がぶつぶつと聴こえる気がする。
タスクは一瞬、固まった。
「…あ、あぁ、じゃあ、先行ってる」
タスク達は教室を後にした。