ANOTHER WIND~もう一人の主人公~
「まじあーゆー輩、白けんね」
10人いたタスク達のグループの一人が呟いた。
「まじホワイトキック」
「何?」
「『しら ける』」
「へぇー。そう言うんだ」
「あとはKYね」
「あぁ、それは『空気 読めない』でしょ?」
「おれ古典の授業でMRHKYって習ったんだけど」
「MRH?何それ?」
「『マジで リアルに 吐くほど』」
「古典で!?マジでか!!」

タスクはこういう下らない会話に助けられていた。
正直なところ、さっきのは案外ショックであった。
実際、陰口を叩かれているのは知っていた。
しかし、表面に出されると、結構厳しいものだ。

「お前、昼飯何にする?」
「稲庭うどん」
「いくらうちの学校がバブル期に建てられたとは言え、さすがにそいつぁ無理よ」
「じゃあ讃岐」
「根本的にうどんの種類訊いてんじゃねーつの、どっちかてと味付けの方が知りたいんだつの」
「おいお前ら後ろつかえてるって、早く決めろって」
「じゃ月見そば」
「そばかーい!!」
「おれカツ丼」
「丼かーい!!」
「え、おれ関係なくね?」
「やっぱうどんが良かった」
「なんなんだよお前」
「じゃあ俺が代わりにお前の食券買うよ。俺月見食べたかったし。何買う?」
「稲庭」
「て、天丼んーー!?」
「いや丼じゃなくて、うどん」
「わ…解ってますけどぉぉ!!?」

和やかなムードで席につくタスク達。
そこに――彼らがやってきた。
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