2人なら…「推しと彼氏と彼女の関係」
昨夜は、色々と緊張していて…スゥの髪色にまで気が回らなかったみたい。

金箔の粉が降りかかったように、キラっキラっと陽の光が斜めに差してスゥの頭上で…細かい埃が光って見える。

ツルっとした頬にシースルーのように垂れるシャインゴールドの前髪。

長くて毛束の整ったまつ毛。

眠っているというのに…瞼の上には二重の跡がくっきりと残って見える。

筋の通った鼻は自然光でハイライトが出来て
シャドーも出来る。

当たり前の話だが、高いから…高いからこそこういう陰影が出来る。

スゥは才能も顔も存在も…生まれながらの推し気質なのだ。

残念な所さえも…母性本能をくすぐるし、嫉妬心さえもセクシーなのだ。

私は流青君の眠るソファーの肘掛けに頰を寄せて、はぁ…とため息混じりに2人を見る。

呆れた時のため息では無い。

綺麗で貴重な芸術品を見た時の、例えようもない高揚のため息だ。
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