2人なら…「推しと彼氏と彼女の関係」
「だからっ(笑)何?その1秒とか2秒とかって…。」

「トーストは1秒…2秒…が大事なんだってーーーーっ。」

銀色のトースターを覗き込むリュウの背中を突いて笑う。

くすぐったそうに、腰を引っ込めるリュウ。

その時…

シャワーで濡れた前髪とタオルの隙間から、スゥと目が合った。

スゥは、ブスっとした目でシンク越しに私を見る。

「イチャイチャしてんなぁーーーーっ!」

あっ……。

「(笑)スゥってば…すねてるの?」

「別に〜〜。全然っ!!」

そう言いながら、ワザと私とリュウの間に入って来て…髪をワチャワチャと拭く。

「もぉ〜(笑)雫、飛ぶってばぁ。」

小さないい香りの雫が…私の顔に飛び散ってくる。

「ったく…すねてやんのっ!コイツ。」

「うっせっ。」

ホント…この2人、本気で絡むと子供みたい…。
よそよそしいぐらいが丁度良かったのかな…(笑)
なんて思う。

「ヘアカラーしてあげよっか?もっといい色にっ。」

リュウがスゥの濡れた毛束を摘んで、しげしげと見つめる。

「あいにくですがぁ〜。
俺って何しても似合っちゃうんだよね〜!」

スゥはしれっと…お皿のハムを口に入れて、ニッと笑うと肩を上げる。
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