2人なら…「推しと彼氏と彼女の関係」
scene No.2
2人のことが…
scene No.2
〈ヘアーサロン リンドフィールド〉
「どうしちゃったんですか?」
「えっ?」
流青はハッとして、ハサミを持つ手元から顔を上げた。
「滝沢君、なんだか元気ないみたい…。」
鏡の中のマダムが覗き込む。
「そんなことないですよ。」
鏡の中に微笑む。
「そう?」
「はいっ(笑)」
「な〜んか、心ここにあらず…って感じっ。」
「(笑)そんなことないですっ。
髪、切ってる時にそれは無いです。」
「なら…いいけどぉ〜。あぁ〜!
彼女とケンカでもしたぁ〜?」
「 ………ははっ…。(苦笑)」
「ああぁーーーー。意味深っ!(笑)
その笑う感じっ!」
流青は、ローラーの椅子から立ち上がりマダムの両方の横髪を摘んで顎のあたりで調整する。
「彼女なんていないッスよ。」
少し上半身を反らせて首を傾ける仕草。
真剣な目つきはいつものリュウに見える。
「滝沢君…理想高いんじゃない?
イイ男は仕事だけじゃ勿体ないわよ。
ねっ!桐島さんっ。」