2人なら…「推しと彼氏と彼女の関係」
かと言って…黙ってしまったところで沼は沼だった。

焦りと恥ずかしさでドキドキする。
カットソーの胸元をぎゅっと握り締めて私は細い息を吐いた。

リュウはチューブをいくつか拾って立ち上がると、カウンターにそれらを軽く投げるように置いた。

顔中に血が昇る。

耳がカッと…熱い。

私の胸元にある手をリュウは少し乱暴に剥ぎ取ると、キスマークをまじまじと見つめた。

私は捕まれた手首に力を入れて抵抗する。

見ないで…。

恥ずかしいからっ…

リュウがこれを見て何を想像するのか…それが一番困る。

「リュウ…離してっ。見ないで……。」

懇願したはずなのに、リュウは私の言葉を逆に聞き違えたのではないかというくらいに手首に力を込めた。
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