2人なら…「推しと彼氏と彼女の関係」
あの日…
思わず彼を抱きしめた私の腕に…一時の逃げ場を見つけた。

罪の意識に…怯えて、苦しんだスゥはあの瞬間、自暴自棄になっていたのかもしれない。

アキちゃんが、いなくなったのは自分にあると感じていたスゥは、誰も自分を責めてくれないその罪に押し潰されまいと自暴自棄になっていた。

お墓ができた…。

それはアキちゃんの死を意味する。

たとえ遺体は無くとも、あの日…アキちゃんの死を認めたことになったのだ。

私を愛したわけじゃない。
自暴自棄になっていた。

そうなんだ。

だから…

「リュウ。一緒に富山へ帰ろ…。」

そう…スゥは哀しみを紛らわせただけ…苦しみに囚われて、ああする他なかった。

私との行為に逃げただけ。

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