２人なら…「推しと彼氏と彼女の関係」

スゥは…私を愛してたわけじゃない。

哀しみからの心の迷い。

スゥを好きになってはいけない。

きっと…血が…お互いを迷わせた。

ただ、それだけ。

「…分かったよ。」

リュウはニッとはにかんで荷物を持ち直すと手を振った。


足早に駅へと向かうリュウの背中をリビングカーテンの隙間から見送った時、ローテーブルのスマホがブンと小さく揺れた。

LINEの通知にはスゥのアイコン。

私は少し気遅れしつつもスマホを手に取った。

〝今日　奈々美　退院するって。
迎えに行くって言ったら　来なくていいって。
中途半端に優しくするなって。〟

〝ちゃんと…悪者になれたんだね…〟と入れようとしてやっぱり×印で文字を消し進める。