2人なら…「推しと彼氏と彼女の関係」
奈々美ちゃんの言う通り。
中途半端な優しさや期待させるだけの優しさなんか要らない。

欲しいのは本当の好き…だけ。

迷いのない好きだけなのに。

〝了解。今日定休日だから…スゥの代わりに顔を出してみるね。〟

〝ごめん ありがとう〟

そんな簡単なやり取りの後、もう一度カーテンの隙間の朝日に目を向けた時…
スマホの画面は電話の着信に変わった。

「ハル。ありがとう…今、大丈夫?」

「うん…大丈夫。スゥこそ、今日は早いんだね。」

「うん、まぁ…撮影入ってるし…あのさ…」

ほんの少しの不自然な間に、胸がギュッと絞られる。

「あのさ…この前の話なんだけど、近いうちに富山に帰って確かめてみる。」

「え…とっ…。確かめるって…」

「直接、親父に聞いてみる。」
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