2人なら…「推しと彼氏と彼女の関係」
「アキに、挨拶させてもらっていい?」

ニッコリ振り返るその笑顔はスゥと再会した時と同じく…曇り空のような顔をしている。

「もちろんよ。」

アキちゃんのおばぁちゃんは〝よっこらしょ〟と立ち上がりリュウの手に添えるようにして襖を開けた。

和室は6畳ほどで、床の間と仏壇…数枚の座布団が揃えてあった。

アキちゃんの遺影は仏壇の中央に飾られていて、その上段に一回り小さい男女の写真が置かれていた。

そういえば…アキちゃんのご両親は2人とも事故で…とリュウが言っていた…。

リュウの後について…私も同じタイミングで合掌する。

こんなにも壮絶な家族との別れをおばぁちゃんは1人で受け止めて生きているのだと思うと胸が締め付けられる。
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