2人なら…「推しと彼氏と彼女の関係」

scene No.2

…共有か略奪か…
scene No.2

〝どん兵衛〟で心ちゃんの失恋話?を聞いた私とリュウは並んで駅のホームに立っていた。

心ちゃんの恋愛の仕方はさて置き…恋する熱量と行動力にはいつか成功するであろうマインドを感じる。

そう…成功とは諦めないことなのだ。

挑み続けることなのだ…。

失恋じゃない…学んだだけっ!

なんだか…自己啓発本の一部のような、どん兵衛のマスターの言葉で今日の飲みは締めくくられたような気がする。(苦笑)

心ちゃんの恋は前向きで…失恋は次への余力になる。

20代の恋はそうでなくちゃいけない。

私も……のはず…

私はリュウに気づかれないように…彼の横顔を見る。

しばらくしたら電車が来る方の線路を覗き込むリュウ。

感情を微塵も出さなかった彼が…どう思っていたのか知りたい。

心ちゃんの自由な恋愛に…リュウの本心が知りたい。

「めちゃくちゃ合うって思ったんですけどね〜。
歳は10歳年上の30歳。
見た目はそんなにパッと目を引くタイプじゃないんですけど、まぁ…背が高いからカバーできてたんですよね。
大手商社マンだし、コミ力もあって結婚願望もあって…センスも特に個性的なわけでもないし普通。
酒もタバコもギャンブルもしない。
全てにおいて低リスクな男って感じでね…。」

アルコールデビューかと思いきや…ソフトドリンクのグラスを揺らしながら心ちゃんはため息をついた。
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