2人なら…「推しと彼氏と彼女の関係」
それなのに…さぁ…

彼、将来的にも子供はいらないんですって。

私、お金のある若いママになるのが夢なんですよね。

彼ね…

結婚はしたいけど子供は苦手だし、このご時世…リスクでしかないって…。

お互いに自立した関係で夫婦になるのが理想だから将来サロンで働く君のことを全力で後押しするよ…

だって。

「どう思います?」

素敵な関係だとは思いますけど…
女として一度は子供を産んでみたいっていうか。

心ちゃんの言葉が色んな意味で胸に刺さる。

そもそも…彼氏ってそうやって作るものか?という疑問は一旦保留にして…
女のエゴに近い悩みを吐き出す心ちゃん。

それに丁寧に耳を傾けて相槌ち打つリュウの気持ちを推し量らずにはいられなかった。

リュウは優しい目尻のまま頷いていた。

「別れる理由になりますよねっ…。子供はいらないとか…作りたくないっていう男。
ウチの親も賛成しないと思います。」

心ちゃんはキッパリ言い切ると、テーブルに届いたばかりの唐揚げにレモンを絞って…〝あっ。〟って顔をする。

「レモン、大丈夫でしたっ!?」

リュウの表情は変わらず〝俺は気にしないよ〟なんて言いつつ優しいまま微笑んでいる。
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