2人なら…「推しと彼氏と彼女の関係」
終電待ちのホームは静かで普段より声が響く。

だからこそ少しの間が嫌で…つい余計なことがポロリと溢れてしまう。

「なんか…色々と勝手なことを言ってしまって、ごめんね。」

「えっ…?」

「ほら…心ちゃんの恋愛観が白黒し過ぎてて、私…余計なことを言っちゃったかなと思って。」

「(笑)なんか…子供っぽくて可愛かったよなっ」

「えっ…そういう感じなの。男の人って。」

あっ…また失言?カモ。

「完全にカエル化現象の一つでしょ(笑)口では非効率とか言ってるけど…ピュアなんだよ。きっと…」

リュウ…。

リュウは、優しくて大人で…

確かに、心ちゃんには次があるだろうし半分聞き流してもいいのかもしれない。

恋愛をしたいと思うたびに彼女の考え方が変わるに違いない。

ただ…心ちゃんのエゴも分からなくはない…。

「ねぇ…ハル。確かに心ちゃんは白黒し過ぎているのかもしれないけれど…俺たち、このまま白黒つけないのも良くないよね。」

「えっ…?」

「グレーのままは良くないなと思ったよ。」

「俺は…いつかとかじゃなくて。
子供は作れないよ。…自分が望んでも相手が望んでも叶えることはできない。」
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