2人なら…「推しと彼氏と彼女の関係」
ピュアだったからこそ、美しかったからこそ…
アキちゃんがいなくなったあの日の後悔は心に深く突き刺さっているのだ。

〝後悔〟と上手く向き合えず、自分の恋愛感情をコントロールできないスゥ。

自分のコンプレックスを理解してくれた友人を失くした喪失感と〝後悔〟に苦しんだリュウ。
恋愛観が歪んでも仕方がない。

幼かった2人にとって純粋過ぎるアキちゃんの切ない記憶は彼らの恋愛感情に少なからず影を落としてしまっているのかもしれない。

後悔なんかしない。

2人を好きになってしまったことに。

ただ…得体の知れない深みに堕ちていくかもしれない自分に少し怯えているのは確か。

ただ…止められない。

もしかしたら…

リュウに抱かれたら2人のうちどちらかに感情が傾いて私の中で明確な答えが出ないかという淡い期待は自己中だろうか…

最低な自分。


リュウにとって私の身体のトリセツは簡単で…容易い。

優しく触れる癖に…攻め方が男以上に激しく卑怯。

繊細な部分を知られているのは…卑怯…

隠していたい弱味を握られているようなものだ。


そこは…ダメ…リュウ…お願い…


紅潮する私の身体を冷静に見下ろすリュウは、白く冷たい月が波の行方を支配しコントロールするように静かで…それでいて秘めた激しさに狂わされる。
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