2人なら…「推しと彼氏と彼女の関係」

「しっかり掴まってっ…。」

スゥは、私がちゃんと掴まっているか確かめるとフッと笑って…

このスピードが人任せであるかのように自転車を加速させて、風の波乗りを楽しんでいるようだった。



あの日からスゥと私は…



歯の奥に何か詰まっているような生き方をしている。

もっと…

ちゃんと…

向き合わなくちゃ。

そう思ったりもするけれど…。

曖昧な関係。

弟だなんて一度も思ったことのない…彼を、弟だと認めなくちゃいけない事実があるとしたら…。

怖い。

だから…曖昧にしておく。

私とスゥが、そういう事になってしまってすぐに…見つけてしまったモノがある。

私だけの秘密。
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