2人なら…「推しと彼氏と彼女の関係」
…それぞれの事情…
scene No.1
…それぞれの事情…
sceneNo.1
〈ヘアーサロン リンドフィールド〉
リンドフィールドの入口に立っていたのは次のお客さんではなく母だった。
スゥのお父さんと再婚してから…
いや…?私が反抗期の真っ只中にいたせいか…母とはあの頃から心の距離を感じていた。
今日もレモン色が鮮やかなワンピースを着て、歩くことが多い東京へ高いヒールを履いてお店をキョロキョロする彼女に少しの嫌悪感を感じてしまう。
せっかく…朝、目覚めると昨日の身体の怠さが消えていたというのに…今、突然の母の訪問に立ち眩みがした。
「お母さん、どうしたの?」
「丁度…通りすがっちゃったからっ笑」
明らかに冗談の顔をするママ。
「そんな訳ないじゃないっ…!」
〝だよね〜〟なんて顔をして舌先を出すママに呆れて久しぶりに会った母に私は少しだけ冷たい態度をとる。
「ごめん。仕事中だから、ランチまで待っててくれる!一つ表の通りに出たらカフェがたくさんあるから…。」
「ハルちゃん、そこの片付けが終わったら一緒に行ってあげなよ。後は俺なんとかできるから。」
母の返事の代わりにリュウが声をかけてくれた。
「でも…オーナーも昼まで戻れないって言ってたし。」
「平気だよ。せっかく富山から来てくれたんだ、一緒に過ごしたらいいよ。」
sceneNo.1
〈ヘアーサロン リンドフィールド〉
リンドフィールドの入口に立っていたのは次のお客さんではなく母だった。
スゥのお父さんと再婚してから…
いや…?私が反抗期の真っ只中にいたせいか…母とはあの頃から心の距離を感じていた。
今日もレモン色が鮮やかなワンピースを着て、歩くことが多い東京へ高いヒールを履いてお店をキョロキョロする彼女に少しの嫌悪感を感じてしまう。
せっかく…朝、目覚めると昨日の身体の怠さが消えていたというのに…今、突然の母の訪問に立ち眩みがした。
「お母さん、どうしたの?」
「丁度…通りすがっちゃったからっ笑」
明らかに冗談の顔をするママ。
「そんな訳ないじゃないっ…!」
〝だよね〜〟なんて顔をして舌先を出すママに呆れて久しぶりに会った母に私は少しだけ冷たい態度をとる。
「ごめん。仕事中だから、ランチまで待っててくれる!一つ表の通りに出たらカフェがたくさんあるから…。」
「ハルちゃん、そこの片付けが終わったら一緒に行ってあげなよ。後は俺なんとかできるから。」
母の返事の代わりにリュウが声をかけてくれた。
「でも…オーナーも昼まで戻れないって言ってたし。」
「平気だよ。せっかく富山から来てくれたんだ、一緒に過ごしたらいいよ。」