2人なら…「推しと彼氏と彼女の関係」
都合の悪いことは聞かない主義のスゥは、歯ブラシを加えたまま、ながらスマホでソファーに滑り込んだ。

耳にはちゃっかりワイヤレスイヤホン。

大人っぽくなったように見えたのは髪色だけか…?

朝食のプレートには、くし切りのトマトが2つ残っている。

「まぁ…いいけどさっ。」

食べない事を分かっててお皿に置く私も、私か。

ため息混じりで流し台の三角コーナーにトマトの残りを捨てる。

〝トマト、無理っ〟

歯ブラシを加えたまま…泡ぶくの隙間から謝ってくるその手は…胸の真ん中でちゃっかり合掌。

ホント…子供っ。

そんなに可愛い…けちょん顔されたら、負けちゃうよ。

悔しいけど…負けるっ。

はぁ〜〜〜ダメダメっ!!許してしまう。

しっかり姉。

頑張れ姉。

その甘えた顔を許すな姉。



「ところで…今日のスゥの予定は?」

無理矢理、話を変える。

「んーーーー。たぶん、午後からレッスン。あとはゲーム…かな。」

泡だらけの口内で聞き取りづらいけど、たぶんこう言ってる。
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