2人なら…「推しと彼氏と彼女の関係」
scene No.4
scene No.4
「わかるなぁ〜。スゥのもどかしい気持ちっ。」
「……ん?」
私は紙袋に入ったセットウィッグのレジーナちゃんを両手で抱えて路地裏の長い坂道を上がる。
少し息が上がってきた。
「流青君に昔の自分を語られたくないんでしょ。(笑)」
「なんだよ、ソレ。」
暗黙の了解で坂道の中腹にある神社で一休みする。
住宅地の真ん中にポツンと社があるここは、辺りとは少し違う空気が漂っているように感じる。
緑、生い茂る木々がそう感じさせているだけかもしれないけれど…
神社の隣に隣接されている古い公園は、この急な坂道を利用する人々の一時避難所になっている。
酸素をチャージするには持って来いなポイントなのだと思う。