魔術師と下僕
ブルーノから友人たちへ、七年生にはならず、魔術とは別のことを学ぶと報告があった。
「正直何するか決めてるわけじゃないけど、あの家からは出たくてさ」
ブルーノは訊かれる前にさっさと打ち明けてしまった。
魔術学校は十学年まであるが、三学年、六学年のタイミングで卒業することもできるのだ。ナターリア、ヒルデ、ヴィットリオはこのまま進級することに決めている。
「マジか……。ブルーノがいなくなったら、オレどうしよ……」
ヴィットリオは半泣きだ。
「なにもヒルデがいるだろーが」
「いやーそれとこれとは話が別よ」
「さみしくなるね」
とヒルデがぽつりと言い、みんなは俯いてしまった。
とりわけ、事前に知らされていたナターリアはかなりのショックを受け、ひとしきり泣いたあとの目をしていた。やっと落ち着いていたのにまたさみしくなってしまったナターリアは、「浮気したら許さねー!」とわざとふざけて叫んだが、さみしいのは誤魔化せない。