婚約破棄するはずが、極上CEOの赤ちゃんを身ごもりました
ふたつの水とおしぼりが運ばれてきてすぐに、真美が現れた。ベビーピンクでフレンチスリーブの袖がフェミニンなブラウスに、白いAラインのスカート。肩までのブラウンの髪をハーフアップにして、ビジューのついたバレッタで留めているおしゃれ女子だ。
「一葉~ごめんね。待った?」
綺麗な顔の前で両手を合わせて、私の目の前の椅子に腰を下ろす。
「ううん。たいして待っていないよ」
「よかった! ランチ決めた?」
テーブルの隅にあるメニューを手にして目線を落とす。
「ロコモコプレートにしようかな」
「私もそうするわ。すみませーん」
真美は少し離れた店員へ手をあげた。オーダーを済ませて、真美は私をジッと見て首を左右に振る。
「また白Tにジーンズ。一葉はもう少しおしゃれな服を着た方がいいわ。顔はかわいいんだから」
先日着ていたティアードワンピースは真美の勧めで買ったものだ。
「えっと、そのことでね?」
どんな服を買えばわからないので、真美に相談して亜嵐さんの突然の誘いにあたふたしないように数着揃えようかと思っていたので、切り出してみる。
「洋服のこと?」
「うん。何着か買おうかなって。で、真美に相談を」
「ちょっと! どういった心境の変化? え? もしかして好きな人ができた?」
私の言葉が突拍子もなかったのか、真美は驚いて身を乗り出し探るような目で見る。
「す、好きな人というか……」
「一葉、顔が赤いよ。図星なのね?」
「う……ん、これには込み入った事情があって」
「話してみてよ」
真摯に見つめる真美に、私は祖母たちの遠い昔の約束を話した。
聞き終えた彼女の反応は思った通りだ。
「えーっ? 時代錯誤もいいところじゃない。そんな会ったこともない男と結婚だなんてあり得ないわ。おばあ様たち、ひどくない?」
驚きながらも憤慨したが、ふいに首をかしげる。
「え? でも、待って、待って。一葉は進んでおしゃれをしようとしているのよね? っていうことは、その相手が気に入ったって見解?」
「……実はそうなの。亜嵐さんとは二回会ってる。一度目は和歌子おばあ様に紹介されたときだけど」
そこへ店員がロコモコプレートとアイスコーヒーを持って現れ、話は一度中断する。
「ごゆっくりどうぞ」
「一葉~ごめんね。待った?」
綺麗な顔の前で両手を合わせて、私の目の前の椅子に腰を下ろす。
「ううん。たいして待っていないよ」
「よかった! ランチ決めた?」
テーブルの隅にあるメニューを手にして目線を落とす。
「ロコモコプレートにしようかな」
「私もそうするわ。すみませーん」
真美は少し離れた店員へ手をあげた。オーダーを済ませて、真美は私をジッと見て首を左右に振る。
「また白Tにジーンズ。一葉はもう少しおしゃれな服を着た方がいいわ。顔はかわいいんだから」
先日着ていたティアードワンピースは真美の勧めで買ったものだ。
「えっと、そのことでね?」
どんな服を買えばわからないので、真美に相談して亜嵐さんの突然の誘いにあたふたしないように数着揃えようかと思っていたので、切り出してみる。
「洋服のこと?」
「うん。何着か買おうかなって。で、真美に相談を」
「ちょっと! どういった心境の変化? え? もしかして好きな人ができた?」
私の言葉が突拍子もなかったのか、真美は驚いて身を乗り出し探るような目で見る。
「す、好きな人というか……」
「一葉、顔が赤いよ。図星なのね?」
「う……ん、これには込み入った事情があって」
「話してみてよ」
真摯に見つめる真美に、私は祖母たちの遠い昔の約束を話した。
聞き終えた彼女の反応は思った通りだ。
「えーっ? 時代錯誤もいいところじゃない。そんな会ったこともない男と結婚だなんてあり得ないわ。おばあ様たち、ひどくない?」
驚きながらも憤慨したが、ふいに首をかしげる。
「え? でも、待って、待って。一葉は進んでおしゃれをしようとしているのよね? っていうことは、その相手が気に入ったって見解?」
「……実はそうなの。亜嵐さんとは二回会ってる。一度目は和歌子おばあ様に紹介されたときだけど」
そこへ店員がロコモコプレートとアイスコーヒーを持って現れ、話は一度中断する。
「ごゆっくりどうぞ」