婚約破棄するはずが、極上CEOの赤ちゃんを身ごもりました
店員が去ると、まじまじと私の顔を見つめていた真美が椅子の背に体を預けて腕を組む。
「なにその顔は。幸せそうじゃない。二回会っただけで好きになったの?」
「まだはっきりわからないんだよね。でも亜嵐さんを嫌う理由が見つからないの。完璧な男性だと思う」
「完璧な男性!? そんな人いるわけないじゃない。そんなふうに思うのは彼を好きなんだと思うわ」
やっぱり、私は亜嵐さんが好き……? 好きじゃなかったら、自分をよく見せたいと思わないはず……。
電気ショック、というわけではないけれど、真美の言葉で私は事実をはっきり認識し、心が振動した気がした。
「一葉、ショックを受けた顔になってるよ。自覚したってところかな。亜嵐さんの写真はないの?」
「あ、うん。ない。でも、かっこよすぎてどこでも注目されちゃう人なの」
「ふ~ん、会ってみたいな。大事な一葉を守ってくれる人なのか見極めたいわ。職業は?」
真美は尋ねてからスプーンでハンバーグを崩して、その下にあるご飯と一緒にパクリと口に入れる。
「真美だったら知っているかな。イタリアの家具メーカーのフォンターナ・モビーレの日本支社長なの」
瞬時、彼女は驚愕した顔になって、急いで口に入れたものを飲み込んでから口を開く。
「ええっ? フォンターナっていったら、最高級の家具メーカーよ。そこの支社長っ?」
綺麗にメイクされた目を大きくさせて驚く真美に、コクッとうなずく。
「ちょっと、信じられないくらいの玉の輿になるんじゃない?」
「玉の輿……」
たしかに昔だったら身分違いも甚だしいところで、現代でも私は亜嵐さんのようなセレブの結婚相手にはふさわしくないと思う。
「OK! 決まったわ!」
「え?」
やっぱり自分が亜嵐さんの妻になるには無理があるのだろうかと考えていたところへ、真美の声が突然耳に入ってきて、彼女へ首をかしげる。
「一葉が十歳の年の差をカバーできる服を選ぶわ」
「年の差をカバー……」
「そうよ。そんなしゃれっ気がない服なんて着たら幻滅されちゃうわよ。いくら顔がかわいいからってね。食べたら新(しん)宿(じゅく)へ行くわよ」
真美はやる気満々の様子で、私に「早く食べて」と言い、自分も食べ始めた。
「ただいま」
「なにその顔は。幸せそうじゃない。二回会っただけで好きになったの?」
「まだはっきりわからないんだよね。でも亜嵐さんを嫌う理由が見つからないの。完璧な男性だと思う」
「完璧な男性!? そんな人いるわけないじゃない。そんなふうに思うのは彼を好きなんだと思うわ」
やっぱり、私は亜嵐さんが好き……? 好きじゃなかったら、自分をよく見せたいと思わないはず……。
電気ショック、というわけではないけれど、真美の言葉で私は事実をはっきり認識し、心が振動した気がした。
「一葉、ショックを受けた顔になってるよ。自覚したってところかな。亜嵐さんの写真はないの?」
「あ、うん。ない。でも、かっこよすぎてどこでも注目されちゃう人なの」
「ふ~ん、会ってみたいな。大事な一葉を守ってくれる人なのか見極めたいわ。職業は?」
真美は尋ねてからスプーンでハンバーグを崩して、その下にあるご飯と一緒にパクリと口に入れる。
「真美だったら知っているかな。イタリアの家具メーカーのフォンターナ・モビーレの日本支社長なの」
瞬時、彼女は驚愕した顔になって、急いで口に入れたものを飲み込んでから口を開く。
「ええっ? フォンターナっていったら、最高級の家具メーカーよ。そこの支社長っ?」
綺麗にメイクされた目を大きくさせて驚く真美に、コクッとうなずく。
「ちょっと、信じられないくらいの玉の輿になるんじゃない?」
「玉の輿……」
たしかに昔だったら身分違いも甚だしいところで、現代でも私は亜嵐さんのようなセレブの結婚相手にはふさわしくないと思う。
「OK! 決まったわ!」
「え?」
やっぱり自分が亜嵐さんの妻になるには無理があるのだろうかと考えていたところへ、真美の声が突然耳に入ってきて、彼女へ首をかしげる。
「一葉が十歳の年の差をカバーできる服を選ぶわ」
「年の差をカバー……」
「そうよ。そんなしゃれっ気がない服なんて着たら幻滅されちゃうわよ。いくら顔がかわいいからってね。食べたら新(しん)宿(じゅく)へ行くわよ」
真美はやる気満々の様子で、私に「早く食べて」と言い、自分も食べ始めた。
「ただいま」