婚約破棄するはずが、極上CEOの赤ちゃんを身ごもりました
部屋の半分ほどに、着物の帯のような和のパーティションがあって仕切られていた。
「和歌子ちゃんらしい、素晴らしい、素敵なお部屋だねぇ~」
祖母が褒めると、和歌子さんは「孫がやってくれたのよ」と言って笑顔になる。
お孫さんかぁ。素敵なセンスの持ち主なんだろうな。
私は頭の中で美しい女性を想像した。
一枚板のテーブルには三人分のプレースマット、その上にカトラリーが置かれている。
「お昼の時間にお呼びしたのは、私の手料理を食べていただきたかったのよ。一葉ちゃんは、イタリア料理はお好きかしら?」
「はい。イタリア料理といってもピザやパスタくらいなんですが」
「正直でかわいいわ。私もイタリアへ行くまではそうだったわ。政美ちゃん、一葉ちゃん、おかけになって」
椅子に座るように勧められるが、運ぶくらいならできると、私はお手伝いを買って出た。
トマトとアボカドのガスパチョや、ルッコラとチーズのサラダ、仔牛のレバーと玉ねぎ煮込み、冷製カッペリーニなどがひとり分ずつプレースマットの上に用意された。
「おふたりのお口に合うか心配だけど」
「和歌子ちゃん、とってもおいしそうよ。お昼にこんなお料理をいただけるなんて贅沢だわ。ね、一葉」
祖母は料理に見惚れていた私に声をかける。
「本当にすごいです。いただきます!」
レストランで食べるような繊細な味で、たくさん作ってくれた料理はどんどん食べ進められる。和食ばかりで滅多にこういった料理を口にしない祖母も、おいしくて満足している様子だった。
ふたりは昔話や、和歌子さんのイタリアでの生活などの話に花を咲かせている。
デザートは近所にあるという有名パティスリー店のケーキ。ルビーチョコがけの丸いフォルムでかわいらしく、そのおいしさに目を見張った。
アールグレイのアイスティーで口の中がさっぱりして、至れり尽くせりの和歌子さんのおもてなし術を尊敬する。
「一葉ちゃんは女子大の一年生だと聞いているけれど、なにを専攻しているの?」
「文学部の日本文学科です」
小さい頃から本が好きで、書店とか図書館にいるのが大好きだった。将来は図書館司書になりたいと思っている。
「そう。本が好きなのかしら? 大学生活は楽しい? ボーイフレンドはいらっしゃる?」
「和歌子ちゃんらしい、素晴らしい、素敵なお部屋だねぇ~」
祖母が褒めると、和歌子さんは「孫がやってくれたのよ」と言って笑顔になる。
お孫さんかぁ。素敵なセンスの持ち主なんだろうな。
私は頭の中で美しい女性を想像した。
一枚板のテーブルには三人分のプレースマット、その上にカトラリーが置かれている。
「お昼の時間にお呼びしたのは、私の手料理を食べていただきたかったのよ。一葉ちゃんは、イタリア料理はお好きかしら?」
「はい。イタリア料理といってもピザやパスタくらいなんですが」
「正直でかわいいわ。私もイタリアへ行くまではそうだったわ。政美ちゃん、一葉ちゃん、おかけになって」
椅子に座るように勧められるが、運ぶくらいならできると、私はお手伝いを買って出た。
トマトとアボカドのガスパチョや、ルッコラとチーズのサラダ、仔牛のレバーと玉ねぎ煮込み、冷製カッペリーニなどがひとり分ずつプレースマットの上に用意された。
「おふたりのお口に合うか心配だけど」
「和歌子ちゃん、とってもおいしそうよ。お昼にこんなお料理をいただけるなんて贅沢だわ。ね、一葉」
祖母は料理に見惚れていた私に声をかける。
「本当にすごいです。いただきます!」
レストランで食べるような繊細な味で、たくさん作ってくれた料理はどんどん食べ進められる。和食ばかりで滅多にこういった料理を口にしない祖母も、おいしくて満足している様子だった。
ふたりは昔話や、和歌子さんのイタリアでの生活などの話に花を咲かせている。
デザートは近所にあるという有名パティスリー店のケーキ。ルビーチョコがけの丸いフォルムでかわいらしく、そのおいしさに目を見張った。
アールグレイのアイスティーで口の中がさっぱりして、至れり尽くせりの和歌子さんのおもてなし術を尊敬する。
「一葉ちゃんは女子大の一年生だと聞いているけれど、なにを専攻しているの?」
「文学部の日本文学科です」
小さい頃から本が好きで、書店とか図書館にいるのが大好きだった。将来は図書館司書になりたいと思っている。
「そう。本が好きなのかしら? 大学生活は楽しい? ボーイフレンドはいらっしゃる?」