わがままシュガー


机をバンバンと叩いて涙目になられているけれど、佐藤はノリノリで投げキッスをしたりネイルを見せたりして鞠で遊んでいる。

メンタルが強すぎてもはや崇拝する。



「やめてぇぇぇその顔でこっち見ないでははははははっ……っく、げふっ」

「鞠、生きて。飲み物飲みな」

「むりむりむりお腹も頭も腹筋もいたいいいい」



お腹と腹筋は大体一緒だと思うんだけど。

そんな鞠を見て声も出せずに呆れ返っているのは、我らがイケメン緑さまだ。



「マリモがあんだけリアクション激しいと、一周回ってこっちが冷静になるわ」

「さすが緑」

「アンタ知ってたんでしょう?いつから?ていうか本当にアレ男?」

「えーと……私がカラオケ誘った日から」

「マジか」



おもむろに立ち上がった緑が佐藤の前に行き立つと、ガーデンチェアに座って鞠で遊んでいる佐藤を見下ろして影を作る緑。

わぁ、なんだか緑に見下ろされるなんてなんか怖い。

生唾を飲み込んでその光景を見守っていると、緑が佐藤に向かって口を開く。



「ちょっとまだ信じらんないから下見せてくんない?」

「ぶはっ…………あははははははははははははは、もー、ほんとやめてみどりんまでぇぇぇぇ」
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